僕は今まで誰かのお通夜やお葬式などにあまり行ったことがありません。
ただ、一度だけ、学生時代に、
クラブの先輩の父親のお通夜に行ったことがあります。
僕たちクラブ部員は、その他大勢だったので、お焼香するだけ。
それまでの間は、先輩の家の外で待っていました。
やり方も何も知らないので、大まかなルールを友人に教えてもらい、
いよいよ自分の番が来たとき、初めて家の中に上がりました。
お通夜が行われている部屋は、きれいに磨き上げられたという感じの日本間。
僕は、教えられたルールに伴い、
きちんと正座して、家族の人や先輩に礼儀正しくお辞儀をしました。
そして、お焼香しようと立ち上がろうとしたとたん、
ひざが畳の目に沿ってすべってしまい、あわてて手をつこうとすると、
今度は手も畳の目に沿ってすべってしまい、
次の瞬間、自分のひじが男の大事な部分に思い切り当たってしまいました。
もう鼻血がでそうになるわ、口から泡吹きそうになるわ、目の前真っ暗になるわで、
恥ずかしいどころではなかったです。
向こう側に座っていた先輩が、「大丈夫か?」と声をかけてくれ、
親戚であろうおじさんが何人か立ち上がり、腰をとんとんたたいてくれたり。
お通夜の日本間は、苦笑で包まれました。
しばらくの間、みんなに笑われ、ちょっとした人気者になってしまいました。
それ以来、お通夜もお葬式も出ていません。
次にそんな機会があれば、今度はちゃんとできるのだろうかと、心配です。